2011私的ベストメディア11

ベストディスクだけでは尺が持たないわけではないのですが、
書籍・映像作品など含めて11点選んでみました(順不同)。ではどうぞ。



①青山景『ストロボライト』

ストロボライト

ストロボライト

よいこの黙示録』を朝日新聞の書評で発見するも、その時はそんなに好きにならなかった。
自殺報道で狛江市在住と知って親近感がわいたので買い集めてみると、これが素晴らしい。
『SWWEEET』のサイケデリック平成版「タッチ」(あだち充)な感じもよかったけど、
間テキスト性をモチーフに文学作品風の仕立てになっている本作に軍配。
未完の遺作となった『よいこの黙示録』2巻は本年2月発売です。



cero『WORLD RECORD』

WORLD RECORD

WORLD RECORD

我らが旧10学区出身のコンテンポラリー・エキゾチックバンド。
僕がサポートをやったのは7年くらい前だったかと思うけど、
当時からやっている「outdoors」はほぼそのままのアレンジであるのに対して、
大停電の夜に」などはもう3、4回はアレンジが変わっているんじゃなかろうか。
ドラムの柳くん去りしあとの活動はどうなってんだろ。近々ライブ行きます。
J-Rock部門、次点はSuiseiNoboAzの2nd。ねごと『ex Negoto』、mito『Dawns』も結構聴いた。
SWIM SWEET UNDER SHALLOWの発見も大きかったなあ。ルミナスオレンジの後釜は彼らかもね。



③ドラマ『モテキ

モテキDVD-BOX (5枚組)

モテキDVD-BOX (5枚組)

オンエア当時はイースタンが地上波で演奏してる(!)記憶しかない。
今思うと丸一年ハマるのが遅かった。原作含め、説明不要の名作。
映画は詰め込みすぎで落ち着かなかった分、ドラマ版の方が印象に残った。
ちなみに当方、土井亜紀推し。というよりは野波麻帆さん推し。エロもっさり。



想田和弘『Peace』

なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか (講談社現代新書)

なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか (講談社現代新書)

砂田麻美エンディングノート』のヒットもあって埋もれがちだが、
死の淵にある人間を題材にしたドキュメンタリーといえばこっちが先行。
身内の死の過程を拙いカメラワークでリアルに描き出したのが前者なら、
介護・福祉の現状を追いつつも1時間強の人間ドラマを見せるのが後者。
恒例の想田監督とのトークセッション・サイン会も勉強になりました。
震災後、非原発ドキュメンタリー映画界は興行的にかなり苦しいそうなので、
DVD化された暁にはみなさんも是非ご購入を!



宮田紘次『真昼に深夜子』

真昼に深夜子 1巻 (BEAM COMIX)

真昼に深夜子 1巻 (BEAM COMIX)

ききみみ図鑑』を朝日の書評で知り、以来大ファンに。
青山景同様、ポストあずまきよひこを感じさせる女の子の描き方こそが魅力。
去年は、同系統でいうと九井諒子『竜の学校は山の上』の高評価が目立ったが、
一年間で5冊近く単行本された宮田紘次への言及がほとんどないのが残念だった。
中村明日美子鉄道少女漫画』をひいきにするくらいならこっちでしょ。



⑥吉野有里子『吉野有里子画集』

吉野有里子 画集

吉野有里子 画集

イースタンユースのジャケットで知られる切り絵画家。購入時のコメントは「現代の滝平二郎や!」。
現在に至るまでツイッターのアイコン・背景はこの画集から採ったものです。
デザイン本では他に小出由紀子・都築響一『BORO』、平凡社『日本の音』などが良かった。



⑦安全地帯『安全地帯12』

安全地帯??(DVD付)

安全地帯??(DVD付)

発売から半年近く経つが、未だに咀嚼しきれていない。それだけ未来を行っているということか。
復帰第一作となる『11』が青田典子とイケイケゴーゴー状態だったことを鑑みても、
ミュージシャン・玉置浩二の魅力、クオリティを体験するには今作のほうがおすすめ。
間髪入れずドロップされた『13』がソロ時代の名曲カバー集になったのもその証左だろう。どこまで行くんだ、安全地帯。
J-POP部門、次点は矢部浩志奇跡の復帰作!安藤裕子『輝かしき日々』、さよならポニーテール『魔法のメロディ』。



Shure ドラムマイクセット[rakuten:iroha-shop:10029743:detail]
すべてはこの動画が始まりだった。

動画を見た1ヶ月後、我が家にはまったく同じREC環境が整ったという…。
ただこれが今年の制作意欲向上への布石になっていたことは確かで、
何がしかのメディアによる自己作品の制作・発表が今年の目標になった。
キック用マイクの録れ音が非常に安定していて使いやすいですよ。



TOKIO『OVERPLUS』

TOKIO OVERPLUS【初回限定盤】 [DVD]

TOKIO OVERPLUS【初回限定盤】 [DVD]

二枚組のライブDVD。震災後の武道館公演を収めた「PLUS」ばっかり観てる。
グラムロック調のイントロからアンコール「NaNaNa(太陽なんていらねぇ)」まで圧巻のステージ。
特に、フィルインでぶれまくりのテンポを舌出しでごまかす松岡の熱いドラミングは、
ウルフルズ「いい女」の一節(“お金より/見た目より/車より/心意気”)を思い起こさせる。



⑩立石泰則『さよなら!僕のソニー

さよなら! 僕らのソニー (文春新書)

さよなら! 僕らのソニー (文春新書)

ウォークマンVAIOを(それなりに)愛してきた自分にとっては感情移入させられた一冊。
ソニーらしさという幻想と現社長のネットワーク信仰によって消え行く「技術のソニー」に涙する。
これを読んでSONYストアでのPC新調を決意した。が、BRAVIAはたぶん買わない…。
新書部門では速水健朗『ラーメンと愛国』、渡辺裕『歌う国民』、荻上チキ『セックスメディア30年史』など。
『「上から目線」の構造』『男子校という選択』など、日経プレミアシリーズの健闘も目立った一年だった。



三陸鉄道『今、よみがえる三陸鉄道車内放送アナウンス〜南リアス線〜』

今、よみがえる 三陸鉄道 車内放送アナウンス ~南リアス線~

今、よみがえる 三陸鉄道 車内放送アナウンス ~南リアス線~

本当はベスト10の予定だったのだが、震災復興支援ということでひとつ追加を。
車内アナウンス関連の音源も数年前に比べると格段に入手しやすい状況となり、
今作品もフジテレビの笠井信輔アナがナレーションで参加するなど注目を集めた。
車内放送研究者としては喜ばしい反面、他の人間に成果を横取りされるのが怖い。
誰か執筆依頼してくれよ…。


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ということで、11点選んでみました。
あなたの趣味を少しでも広げられれば幸甚。
本年もよろしくお願いいたします!