2016私的ベストメディア

2016は激動の一年でした。


パタハラ、社内力学による左遷、自宅建て替え、第一子誕生、3ヶ月間の育児休暇、転職、などなど。時間もお金も限られる中、細々とではありますがこの投稿のネタを確保できる程度の生活は続けてきました。ということで、今年もお楽しみいただければ。


過去の発表はこちら↓

2015 http://d.hatena.ne.jp/OMIOBEAT/20160101/1451618894

2014 http://d.hatena.ne.jp/OMIOBEAT/20150101/1420084106

2013 http://d.hatena.ne.jp/OMIOBEAT/20140102/1388446727

2012 http://d.hatena.ne.jp/OMIOBEAT/20130103/1357172912

2011 http://d.hatena.ne.jp/OMIOBEAT/20120102/1325481341


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(1) C&C Drum Company "Super Flyer Drum Set"




写真はこちら↓
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1763599137225206.1073741832.100007254102577&type=1&l=4970569bae



新居建築の際に防音室を設置したのに合わせて購入。国内輸入代理店の三木楽器さんにお手伝いをいただき、サイズや仕様を特注でこさえた一品。ドラムセット購入はPearl rhythm traveler以来4〜5年ぶりで、C&C日本人初のエンドーサーである神谷洵平さんへの憧れを具現化するかたちとなった。自宅用として小口径のものを、という視点で選んだものの、20"バスドラ(+VATER Vintage Bomber Beater)の音量は想像以上。暖かさと枯れたサウンドを兼ね揃えたタムの鳴りはマレットで叩くとそのふくよかさがよりリアルに体感できる。Istanbul Agopなどトルコ系シンバルとの相性もよく、これで当分個人練習でスタジオに行く必要はなくなったぞ。うっしっし(死語)




(2) 黒木渚 "ふざけんな世界、ふざけろよ"




ふざけんな世界、ふざけろよ

ふざけんな世界、ふざけろよ






2016初頭にTOKYO FMかなにかでゲスト出演しているのを聴き、なんじゃこの歌詞はと笑ったのが認知するきっかけだった。ただバックバンドの音はいいなあと思ったのでシングルのクレジットを読んでみるとあらあら、柏倉隆史やマシータさんが叩いている。上記のライブ映像にもあるように、近年あまりお目にかかれなかった遠慮のない手数で歌うドラムを炸裂させる柏倉氏がそこにいて胸がスッとした。それだけでも黒木渚の存在は評価されるべきだと思う。"アーモンド"も原曲はDr.柏倉氏だが、このマシータさんの力強いドラミングもなかなかグッとくる。







女性シンガー部門、同率1位はPredawn4年ぶりの新譜。12月のアルバムツアー最終日を観に行ったところ、これが2016ベストアクト。神谷さんのドラムは言わずもがな、シンガー清水の若返りっぷりにもびっくらこいた。"Universal Mind"は4〜5年前からライブでも披露していたが、3ピースによるバンド感をアルバムのコンセプトにしたせいかますます岡北有由っぽくなっている。次点は安藤裕子頂き物』。 



Absence

Absence



(3) Gotch & The Good New Times "Good New Times"



Good New Times

Good New Times



(とくに7:30〜"Humanoid Girl")



我らがYeYe(ソロ新譜はまあまあ)参加、アジカン後藤ソロプロジェクトの2nd。プロデューサーに元デスキャブのクリス・ウォラを付けたというだけで価値がある一枚。世代的にアジカンには少々距離感を持って接しているのだが、サウンド面では文句のつけようがなかった。mitsume "A LONG DAY"がアルバム全体で思ったほど聴き込める出来ではなかったので、こちらに軍配。




パズル

パズル




邦楽バンド部門、印象に残ったものではコシュニエのミニアルバム"パズル"。古川麦くんが参加しているチンプンカンプンとんちんかんのアルバムを新宿タワレコで視聴しようとしたら、ずいぶんロキノン系っぽい音がしてびっくりして買ってみたところ、試聴機と中身が違ってたという。ドラムの手数が多い感じは嫌いじゃない。Swim Sweet Under Shallow "dubbing"、吉田ヨウヘイgroup "paradise lost, it begins"(2015)、my letter "my letter"(2014)もよく聴いた。嬉しいところではbonobosの復活が挙げられようか。2010年代の若者にはceroのパクリみたいに見えるかもしれない。それでも蔡忠浩の歌声はまだまだアラサーの心を動かしてやまない。





(4) Stepen Steinbrink "Anagrams"



アナグラムス

アナグラムス



(冒頭からでかっちり)



新規アーティスト発掘がほとんどできなかった洋楽部門。Stephen Steinbrink、2年ぶりの新譜が強いていえばベストか。M3などはファズを効かせたローファイなサウンドで新規性もあり、同ジャンル?のBon Iverより個人的には推したい。ってかBon Iverの新譜、そんなにいいか?





ヘビーローテーションだったのはAndy Shauf "The Party"。ビートルズからエリオットスミス、近年ではWilcoやreal estateあたりにも通じる気怠く生温い、しかし耳に心地よいグッドミュージックだ。コーヒーは苦手だけどたぶんこれ聴きながら飲んだらうまいはず。ちなみにBon Iverの来日公演は相当よかったらしいが、ライブでいうとYuckとDelta Sleepを生で観られたのは感動だった。特に後者はライブハウスの最前までいって身を乗り出して見入ってしまったよ。あ、くるり"now and then vol.3"のアンテナ再現ライブもなかなか。



ぐてたま!




(5) 崎谷実穂・柳瀬博一『混ぜる教育――80カ国の学生が学ぶ立命館アジア太平洋大学APUの秘密』



混ぜる教育

混ぜる教育



日本人:留学生=50:50で有名な別府の大学、その成功の過程を追った一冊。なぜこのタイミングで?という疑問はあるものの、わずかな開学準備期間のなかで海外のトップ高校に飛び込み当然で営業した様子などは、同業他社に勤めることになった人間としては勉強になる。国内でも英語で学位の取れる学部・院が増えているものの、鈴木典比古『なぜ国際教養大学はすごいのか』(PHP新書)を見ても「混ぜる」ための公用語=英語という視点がここまで徹底されている印象はない。ただ個人的には英語よりも日本人側からの歩み寄り、つまり「やさしい日本語」(庵功雄)の必要性がこれからの日本社会では問われるんじゃないかと。



教育関係の書籍では、井上智洋『人工知能と経済の未来』(文春新書)、山内太地・本間正人『高大接続改革』(ちくま新書)も仕事の一環で読んだ。AIの発達による雇用破壊についてはマスメディアでも取り上げられることが増えたが、アクティブラーニングや大学入試改革といった文科省主導の施策だけではこうした懸念には十分対応できなくなるだろう。健康寿命の伸長→65歳以上の再雇用をーとか言ってるけど、そもそも出生率2.0以下=人口減少確定なんだからもっと子どもにカネ使えよ、というのが人の親になった男の自然な要求なんですが。その他、坂爪真吾『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)、石黒圭『語彙力を鍛える』(光文社新書)、古い本だが山口創『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)なんかはおもしろかった。



(7) 片山ユキヲ『ふろがーる!』



ふろがーる! 2 (ビッグコミックス)

ふろがーる! 2 (ビッグコミックス)



『花もて語れ』の完結から約3年、ついに片山先生が帰ってきた!1話1話がわりと短く連載開始当初はテンポがつかめないところもあったが、シローさん登場からツーリング要素が加わってストーリーにも動きが出てきた。第19話では近所の日帰り温泉が匿名で登場している。やっぱり取材先によっては名前NGのところもあるんだろうか?



恋のツキ(1) (モーニングコミックス)

恋のツキ(1) (モーニングコミックス)



マンガ部門は『ちはやふる』『重版出来』『健康で文化的な最低限度の生活』『こいいじ』『放課後カルテ』『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』など、過去のルーティンから脱却できず。新田章『恋のツキ』(モーニングKC)は新連載とはいえ新田先生自身は前作で「このマンガがすごい!」とか出ちゃったし…。なんかオススメのあったら教えてください。




(8) LG "minibeam" PH150G










防音室へのホームシアター導入は妻の悲願でして、手始めに壁に投影できる手頃なプロジェクターを…と大型電気店まで偵察に行ったところこれが目に留まった。5万円以下の小型プロジェクターの中では群を抜く画質の高さ、130ルーメンとは思えない照度で、部屋を真っ暗にしないでもある程度は視認できる。いい意味でLGのブランドイメージを覆された。スマホとのワイヤレス接続ではかなり画がカクつくが、映像はHDMI/MHLの有線接続、音源をBluetoothスピーカーに接続すれば簡易ミニシアターとしては十分楽しめる。レンズがLEDなので手入れがいらない点、ポータブルなので仕事にも使えそうな点を考慮すると、3.3万円はかなりいい買い物だった。




(9) 森達也 "FAKE"







やっぱり森達也は映画撮ってればいいの!とにかく観ればわかる!





(10) 火ぐまのパッチョ/電パッチョ







言わずと知れた東京ガスの新キャラクター否王子。世間ではプリケツがどうのと騒がれてるが、秋のガス展で電パッチョのやさしい笑顔にふれて一気にファンに。電気ものりかえてパッチョポイント貯めまくって息子(自分)用にぬいぐるみをゲットするのが今年の目標である。


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以上、ベストメディア2016でした。いかがでしたでしょうか?

洋楽部門などは少々貧弱なラインナップになりましたが、転職して職場が御茶ノ水になったので月1でジャニスに通いつつ研鑽したいと思います。みなさんのおすすめも共有くださいね。今年もよろしくお願いいたします!