「望みなきにあらざる」ことを喜ぶ

 「みんなの広場」とあるからには、既に人の世の外に在る老骨の「生涯に一度」の声も許されようか。
 治安維持法制定以来、ほとんど100年を生きてきた。しかしこの悪法は戦後失効したにもかかわらず、今日なお思想・信条による差別・迫害を多発させている。「天は人の上に人を造らず」との福沢諭吉の言葉は人々の耳目から遮断されていたが、今やその呪縛は破られ、全国にあふれる万円札の広めるところとなり、いわれなくおとしめられている多くの人々を勇気づけている。虐げられていた草の根のうめきは今、糾合しておごれる階層に反逆し始めた。自民党の大敗はこのうらみの蓄積によると見る。我らの社会に「望みなきにあらざる」ことの発現を喜ぶ。
 (元教員 87 千葉市中央区

 ラジオ番組が「初めてのリクエストです」という文句に弱いのと同じ構造。送られてきた原文はこの数倍はあったんじゃなかろうか。投書欄には「編集」がつきものだが、行間(なにが削られたのか)を楽しめるという利点もある。